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ムーン ウェーブ プロジェクト

月面着陸から50年

   

 

いまからちょうど50年前、1969年の7月に史上初めて人類が月面を歩いた。ライト兄弟の初飛行からわずか66年後に実現したアポロ11号の成功は、人類の勇気と創造性を遺憾なく示すものだった。現在、月に再び目が向けられている。今後はいかに科学的挑戦を経済活動につなげるかが課題になるだろう。

人類で初めて宇宙を旅したのは、軍人たちだ。だが初期の宇宙飛行に携わったのは男性だけでも、人類だけでもなかった。ショウジョウバエやサル、イヌ、ウサギ、ネズミなどが、人類に先立って宇宙を飛んでいた。

1961年4月に宇宙飛行士のユーリ・ガガーリンが人類初の宇宙飛行を行う3年以上も前、ソ連がイヌを打ち上げたことはよく知られている。そのイヌは初めて地球を周回した動物となったが、飛行中に命を落とした。

女性も先駆者の列に加わった。そのなかには、数学者のキャサリン・ジョンソンのように舞台裏を支えた人もいる。1962年にジョン・グレンが地球を周回できたのは、彼女が飛行軌道を細かく手計算したからだ。ロシア人のワレンチナ・テレシコワは、1963年に女性として初めて軌道上を周回。米国人女性として初めてサリー・ライドが宇宙に到達したのは、その20年後のことだった。

人類が月に残してきたもの

米航空宇宙局(NASA)は月面着陸という格好の機会を最大限に生かしたいと、着陸地点を選んだ。1969年から72年にかけて、アポロは月面の6地点に着陸。これらの地点はそれぞれ異なる科学的な目標に沿って選ばれたものだったが、いずれも月の表側だったアポロの乗組員たちは4年間に重さ382キロほどの月の石を持ち帰った。

しかし、最も意味深い記念品は、宇宙から撮影された地球の姿だろう。アポロ8号に搭乗したウィリアム・アンダースは、1968年のクリスマスイブに象徴的な写真を撮った。それはクレーターだらけの月の地平線の向こうで、青い地球が暗闇にぽっかりと浮かぶ光景「地球の出」だ。

飛行士たちはさまざまな品を宇宙へ持っていってもいる。ジェミニ3号のジョン・ヤングがコンビーフ・サンドイッチをこっそり機内に持ち込んで、同乗者のガス・グリソムと分け合ったことは有名だ。

アポロ11号のバズ・オルドリンはワインとパンと聖杯を持っていき、月面で聖餐式を行った。アポロ14号のアラン・シェパードは6番アイアンのヘッドを持参し、サンプル採取用の道具に取り付けて月面でゴルフボールを打った。そして、アポロ16号のチャールズ・デュークは家族の写真を着陸地点に置いてきた。

月面に残る最も心を打つ記念品は、アポロ15号のデビッド・スコットが残した小さなアルミニウム製の人形かもしれない。宇宙開発において命を落とした米ソの14人の飛行士を追悼するもので、すぐそばに名前を記したプレートも置かれている。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/gallery/062000613/index.html?P=3

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